2016年5月17日@かごしま県民交流センター

災害時・緊急時のSNS活用 ~情報の発信と収集~

「災害時・緊急時のSNS活用~情報の発信と収集~」と題したセミナーを開催しました。
熊本地震を受け、災害時や緊急時にどのようにSNSが活用されたのかを紹介するとともに
実際に支援活動を行っている重久氏や元サッカー日本代表の巻誠一郎選手にも出演していただきました。
また、NHK鹿児島放送局をはじめ、鹿児島県内すべての放送局のニュースにて大きく取り上げられました。
5月20日付けの南日本新聞朝刊にも掲載されています。


  • KYT鹿児島読売テレビ

  • KTS鹿児島テレビ

  • 南日本新聞
  • NHK鹿児島放送
    NHK鹿児島放送
  • MBC南日本放送
    MBC南日本放送
  • KKB鹿児島放送
    KKB鹿児島放送
  • 第一部
     

  • 中島 仁志
熊本地震におけるSNS活用について

第一部では、LINEやFacebook、Twitterといったソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の
それぞれの特性をふまえた活用方法を紹介させていただきました。

SNSは、情報の発信や収集において、リアルタイムに情報が反映される非常に有用なツールであるからこそ
それによる悪質なデマの拡散や風評被害も簡単に起こりうる危険もあります。
特に災害時・緊急時においては、現場における一瞬の判断が、個人だけでなく周囲全体にも影響するため
その情報が正しいのか?についての確認は、SNSを活用するにあたって特に重要なものになります。

まずは前段階として、高齢者の方々に多くみられる
「SNSがよく知らないし使ったことがないから、情報を得ることができない」
という状況を少なくし、誰もが使える文化を作りたいと考えております。

SNSというツールの正しい使い方、またその危険性をも同時に伝えることによって、
「誰もが自分が欲しい情報を、必要なときに得ることができる」
「自らも発信することができる」
そういった社会になってほしいと切に思っています。

それにより、緊急の場合だけでなく日常の生活も、より豊かに質の高いものに変化してゆくものと考え、
このようなCSR活動を続けていきます。

・個々の無事を既読機能により簡易に確認しやすいLINE
・地域・周辺の公共情報を得やすいFacebook
・救助要請等の無差別な情報発信・収集能力に優れるTwitter
  • セミナーの様子1
  • セミナーの様子2

-デマ情報について-

有用なツールであるSNSですが、高い情報発信力・伝播力の反面、誤った情報が拡散されていくことも多く
それはマスメディアにおいても実際に発生しています。
情報をそのまま鵜呑みにするのではなく、その真偽・鮮度を正しく判断する能力が
これからの私たちへは求められるものではないでしょうか?

  • ・ツイートが少ない
  • ・人の誹謗中傷のような文章ばかりある
  • ・同じ内容のツイートを何度も書いている
  • ・アイコンがデフォルトの画像
  • ・フォロワーがいない(少ない)
  • ・フォロワーとのやり取りが全くない
  • ・ニュースの情報元を書いていない

-これからについて-

地震前の日常を取り戻すためには、観光地ではそこに旅行客が以前のように戻り
その地でのインバウンドによる商売が成り立つところ まで回復しないと、取り戻すとは言えません。

しかも、その「日常」で成り立っているマーケットに手を差し伸べずに自力で回復させることは難しいと
言えます。

私たちもSNSのような情報発信ツールを使って、リアルタイムの正しい情報を
できるだけ多くの人に伝えていくことが必要
  • 第二部

  • 重久 清隆 氏
被災地の状況や支援活動について

今回の熊本・大分大震災の現場で実際に支援活動をされた、TSグループ 重久氏より
阪神淡路大震災や東日本大震災での支援経験も踏まえて、
災害時の支援における重要な心構えについてお話をいただきました。

支援活動をおこなうために災害現地へ向かうにあたり、まず心がけなければいけないことは
「被災者に逆に心配をかける・不安を与える状態で向かわないこと」です。
そのためにはヘルメット・安全靴などの装備はもちろん、自身の身体状況・周辺状況も含めて
支援ができる状況かどうかの判断をおこなった上で、現地へ赴かなければ有効な支援活動は行えません。

さらに視覚的に安心を与えるためにも、支援をおこなえる服装、
そしてできれば行政団体等からの許可をいただいていることを明示する証を身につけましょう。

この必要なものから考えても、普段からの「準備」が何よりも必要となります。
災害時に慌てるのではなく、それぞれが自身のリーダーとして常に逆算して状況を捉え、
情報を判断していくことが重要です。

これから梅雨に入ることもあり、またいつ災害が起こらないとも限りません。
起こる前に、どうすべきかを前もって決めておくことこそが、自身が被災した場合だけではなく、
被災者への支援へとつながっていきます。

・避難所では、その後のストレスを緩和するために、まず最初に男女別にブロックを分ける
・不安感を減少させるために、男性ボランティアによる夜の定時見回りをおこなう

などの、現地にて支援をおこなった経験からの具体的な手法を示していただきました。

  • 重久清隆1
  • 重久清隆2
  • 重久清隆3

-フードバンク72連隊-

TSグループ代表取締役 吉松氏からは、今回の熊本大分大震災での実際の活動をもとに設立することとなったNPO法人「フードバンク72連隊」について説明していただきました。

現地での支援活動を通じて、一企業体での支援は限界があると痛感され、
さらにばらばらに支援をおこなうことで、ちぐはぐな支援がされている現場も多く見られたとのことです。

それを踏まえ、民間の力を結集すればもっと有効な支援をするために、
NPO法人「フードバンク72連隊」を設立されました。

では、なぜ72連隊なのでしょうか。

一般に、災害時には有効な救助までの目安は発生から72時間以内と言われています。
災害発生からの72時間は、行政は命の危険性がある現場への救助を優先しておこないます。
それにより、即時の命の危険こそないが、現実に困っている方々への支援は、どうしても後回しにされる
こととなります。

このような、行政では補えない、目の前で困っている方々への支援を、民間として力を合わせておこなっていくのが「フードバンク72連隊」の活動となります。
しかし、それぞれの企業にもそれぞれの事情があり、企業体としての本来の業務が滞ってしまえば、
社会全体の沈下につながってしまうこととなります。

72である意義は、先の見えない支援ではなく、
困っている方々へ適切な「時間を区切った」支援をおこなうことも表しています。
今後は全国の企業からの参加を受け入れるとともに、同じ目的をもつ団体とも協力して
有事の際には支援活動をおこなっていくとのことです。

  • フードバンク72連帯1
  • フードバンク72連帯2
  • youractionkumamoto
  • 巻誠一郎選手
    巻 誠一郎 選手

”YOUR ACTION KUMAMOTO”にて支援活動を続けられている、元サッカー日本代表 巻誠一郎選手より
震災のあった熊本からの生の声をとどけていただきました。

5月17日時点の現地では、物資的な不足は少なく再建への人材不足が感じられる、とのことでした。
具体的には、家屋の補修ができる方、不安感を持ちつづけている子供たちのカウンセリングができる方などが とても必要とされている状況です。

また、発生直後の問題点としては、正確な情報を得ることが非常に難しく、
その混乱の中で有効であったのは、やはり普段からの地域におけるつながりであり、
それが情報の判断基準や伝達手段としてリアルタイムに機能していたという状況を伝えていただきました。

震災後の避難所においても、地域の力は強く
たとえ知らない者同士が隣り合わせになった場合でも、
地区のリーダーの方々の尽力により団結して乗りきることができていたとのことです。
ただしそのためには、やはり普段からの心構え・準備が大切であると感じられたようでした。

現在は、報道の減少などにもより、震災情報の風化が懸念されており、
「継続的な」復興支援こそが望まれることであると、強くお言葉をいただきました。

ご自身の、子どもたちがケーキを食べて笑顔になってほしい、という思いからの子供の日プレゼントも、
1人でも喜んでくれる人がいる限り、継続しておこなうとのことです。

  • セミナーの様子4
  • セミナーの様子5
  • 重久清隆氏
    重久 清隆 氏
  • 第三部
  • 吉松良平氏
    吉松 良平 氏
トークセッション

第二部でお話をしていただいた重久氏、吉松氏に加え
弊社代表である橋口を加えた3名によるトークセッションを行いました。
観光地での宿泊キャンセル問題や、自粛について質疑応答を交えながら、白熱したトークセッションと
なりました。

-自粛について-

イベントを開催する際には、不特定多数の集会となるため
主催者側が安全性を第一に考えることは当然と言えます。
また交通手段等のマヒによる中止・延期は避けられることができません。

しかし、風評被害を恐れての自粛という流れは、社会的責任を持つ企業がおこなう場合、
判断として常に正しいものであるのだろうか?という点が賛否分かれています。

災害に対しての向き合い方の違いもあり、イベントをおこなう力があるならば、
被災現場への直接の支援へとその力を向けるべきである、という考え方も正当なものと言えます。
しかし、現場での支援だけが、災害へと立ち向かうことなのでしょうか。
自らの業務を頑張ることが、社会を支え、それが全体としての支援につながっていくのではないか?
ということも言えるのではないでしょうか。

一つの災害がおこったことで、自粛により経済の不活性が連鎖してゆき、
直接の被災者ではない個人の生活までが危ぶまれてゆく現象が、これまで現実に発生してきています。

このような負の連鎖を止めるためにも、安易な自粛へと走るのではなく、
今現在なにが出来るのかを的確に判断し、勇気をもって行動することこそ必要ではないでしょうか。


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